Chocolate Time キャラクターと語る

エッセイ集

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002.メンズ水着考

「こら、ケンジ」ミカが言った。

「な、なんだよ」

「なんだ、その水着は」

「いいじゃないか、たまには」

「脱げ!」ミカが大声で言った。「今すぐ脱げ!」

「な、なんでだよ」

「あたしはそんなのを水着だと認めないからね。そんな格好で抱かれても、ちっとも燃えないよ」

「あのな、水着ってのは、海で泳いだり、プールでの時間を楽しんだりするためのものだろ?なんだよ、抱かれても燃えないって」

「オトコはビキニ! そう決まってるの」ミカはケンジのサーフパンツに手を掛けた。

「こっ、こらっ! こんな人目のある場所で脱がせるな!」

「つべこべ言うなっ!」

「こ、こっ、この下には何も穿いてなんだぞ! こらっ!」

「そんなの穿いていられるより、全裸の方がましだっ!」

「お、俺をサラしもんにする気かーっ!!」

ミカのプロフィールケンジのプロフィール

 

 下着とはその扱いが微妙に違う水着。僕のシュミが、世の中のマジョリティとはちょっと違うことを認識した上で語ります。

 

 まあ、水着の好みは人それぞれですけど、自分のことだけ考えれば、僕はこんなサーフパンツより、少なくともぴったり肌に張りつくタイプの水着を穿きたいです。そしてできればできるだけ覆う面積が小さいの。ナルシストですから、できるだけ肌を露出したいと思うわけです。

 でも、完全なヌードになるのは抵抗があります。それは法に触れるから、という意味ではなくて、小さくても水着を着けているスタイルに萌える、ということです。

 一時期、男子競泳選手の水着が身体をほとんど覆い隠してしまう「ワンピース型」になってしまったことがあります。あれはあれで、全身タイツみたいで別の意味で萌えましたが、小さなブーメランパンツの水着が一番セクシーだと思っている僕は、このまま水泳選手の美しい裸体が見られなくなるのか、ととても残念に思ったことでした。

 まあ、その後紆余曲折があって、現在の国際水泳連盟(Fina)の規定では、男性はへそから膝までしか隠せないようになりましたから、ワンピースタイプよりはましになった、と言えます。

 

健太郎と龍
健太郎と龍

 水泳選手の場合は、いかに水の抵抗を抑えて早く泳げるか、という目的、やっぱり小さな水着がそのウリだったライフセーバーの場合はクラゲや浮遊物から肌を守るという目的があって、「セクシーに魅せる」という要素はなくて当たり前です。それならば、一般人がレジャーで海やプールに行った時に、オトコも女性のように、もっとセクシーさやファッション性を全面に出してもいいのではないか、と思うわけです。

 思うに、男性、特に日本人男性はどうして自分をセクシーに見せたがらないのか、と不思議に思います。西洋的な考え方がこれほど浸透しきっている日本社会において、女性は実に開放的に自分をアピールするのに熱心で、ミニスカートやショートパンツ、胸の大きく開いたシャツなど、開けっぴろげにセクシーさを強調できるようになっているのに、日本のオトコどもときたら・・・。誤解を恐れずに言うなら、女性の立場が強くなって、オトコが自分の思うように自己表現ができなくなっている、ということなのでしょうか・・・。

 

 先にも言ったように、僕はできるだけ露出したい、でも最後は見せない、という立場です。ならば、一昔前の「競パン」が一番萌えます。ぱつぱつの小さな水着に押し込まれた男性自身、お尻のワレメが少し見えているようなローライズさ、もう最高ですね。何度も言うようですけど、全部見えてちゃだめなんです。最低限隠してないと。

 この際、僕自身が人に見せられる身体かどうかは棚に上げておいて言いますけど、もちろん人に見せるからには、見せられる身体でなければいけません。それは重々解っています。しかしながら外国のオトコは、そこんとこは実におおらかです。オトコに限らず女性だって、太っていようが、痩せていようが、腹が出ていようが寸詰まりだろうが、幼児体型だろうが不細工だろうが、とにかく、オトコもオンナもリゾートでは脱ぎたがる。でっぷりと太った白髪交じりのおばちゃんが平気でマイクロビキニを着て海岸をのしのし歩いていたりする。そりゃあ、僕もそういうのを見てもこれっぽっちも萌えませんけど、要するに、あれは自己満足なんです。人目を気にしているわけではないんです。自分のその姿、というか、そういう自分が思う理想の格好をしていると妄想している自分自身に酔っているのです。

 

 でも、ある意味、それでいいのかもしれません。そういう姿を見て、そこにいるギャラリーがとやかく言うわけでもないし、犯罪行為をやっているわけでもない。見たくなければ見なきゃいい。そういうノリなんですね。変わった格好の人がいた時に、すぐにこそこそ言ったり、陰で中傷したり、こっそり写真を撮ってツイったり、馬鹿にしたりする日本人とは違います。結局心が広いんです。お互い様なんでしょうね。

 

 水着姿、というのはセクシーです。時としてセックスに発展します。というか、オトコであれば「おお!なんてセクシーな女のコ。」と思ったら、やっぱり抱きたくなるでしょ?触りたくなるでしょ?

 僕はセックスは絶対に全裸から始めたくはありません。脱がせ合うことに興奮するからです。僕の小説をお読み頂ければお解りのように、抱き合った二人は、まず下着越しに擦りつけ合うことから始めることが多い。これは僕がそうしたいからです。大切な、感じる部分が隠されていて、その隠しているものから、妄想を膨らませる。そしてそれを取り去ることで、昂ぶっていく、という流れが好きなんです。結果二人とも全裸でフィニッシュを迎えるわけですが、そのプロセスとして、水着や下着を脱がせていく、ということが不可欠なのです。

 

 変な話ですけど、そんなわけで僕は、男性でも女性でも、性器そのものを見せられても興奮しません。かえって萎えます。女性のクリトリスや谷間を舐めたり触ったりするのや、男性のペニスを咥えたり舐めたりするのは大好きですけど、例えば女性が脚を大きく開いて局部をアップで見せられたりしても、ふうん、って感じです。口を大きく開いて見せられるのと何ら変わりません。男性のだってそうです。例えて言えば足の親指をアップで見せられているようなもんです。であれば、プロセスとして興奮を高めるためには、最低限の『布』が必要だってことなんです。

 

 だから、水着も下着もセクシーなものでなければならないってわけなんですよ。ぱつぱつに締め付けられている水着を脱がせながらおっぱいを吸う、クンニリングスに浸る、またぎゅうぎゅうの水着の上からペニスを触られる、秘部同士を擦り合わせる。こんなに興奮する行為は、他にはなかなかありません。

 

 さて、最近調べてみてわかったこと何ですが、水着メーカーって、そう言えば結構ありますね。

 

 ▼「アリーナ(arena)」(フランス)・・・国内ではデサントが扱う

 ▼「スピード(SPEEDO)」(イギリス)・・・国内では株式会社ゴールドウインが扱う

 ▼「ディアナ(DIANA)」(イタリア)

 ▼「アシックス(ASICS)」(日本)

 ▼「アディダス(adidas)」(ドイツ)

 

 実際に泳ぐには、大臀筋や大腿筋を圧迫しないようなジャストサイズの水着を着用するのがベストなんですが、水着プレイで穿くものなら、ちょっと小さめの多少食い込んでるものの方が燃えます。

2013,1,14 Simpson