三省堂「大辞林 第三版」の解説によると
Chocolate Time キャラクターと語る
エッセイ集
龍「ちょ、ちょっと母さん、なに? いきなり全裸で あっ!」
むぐぐぐ……
ミカ「龍、おまえほんとにエロいカラダしてるな」
龍「そっ、それが母親の息子に対する言い方ですかっ!」
ミカ「いやあ、思わず押し倒したくなるってもんだよ」
龍「じ、自分が何言ってるかわかってる?」
ミカ「もう一回キスさせろ」
むぐぐぐ……
ミカ「嫌がってるわりにはおまえ、ここもうめちゃめちゃ膨らまかしてるじゃないか」
龍「あっ! や、やめてっ!」
ミカ「乳首も感じるんだろ?」
龍「ちょ、ちょっと!」
ミカ「母親にこんなことされても昂奮しやがるんだな、あっはっは!」
龍「お、男ってのはそんなもんなの!」
ミカ「いやあ、惜しいことしたよ」
龍「何がだよ」
ミカ「おまえの童貞、あたしが奪っとくんだった」
龍「なっ! なにばかなこと言ってるんだ!」
◆
過去に報道されたニュースからの一考。
平成24年6月に、大阪府内の民間の社会養護施設で、世話係をしていた20代のアルバイト女性が懲戒解雇されました。
彼女が何をしでかしたかというと、
平成23年9月~24年5月、入所者の男子高校生2人にキスをしたり、下半身を触ったりしていたことが発覚。そのうち1人とは性交渉もあった。
これを府は「性的虐待」と判断し、施設を行政指導し、施設は女性を懲戒解雇した、というわけです。
アダルト系エッセイの嗜好に相応しく、ちょっと生々しくこの女性を「沙織」さん、『被害』を受けたとされる高校生の一人を「俊太」、もう一人を「晃司」として話を進めましょう。
沙織さんは自分の勤める保護者のいない子供を預かる社会養護施設に入所していた高校生の俊太と晃司に恋愛感情を抱き、解雇される前年の秋から約9か月の間、この二人にキスしたり、その下半身を触ったりしていました。また、晃司とはセックスをしたこともありました。
このことを大阪府は「性的虐待」と判断して施設を行政指導したのですが……。
三省堂「大辞林 第三版」の解説によると
《せいてきぎゃくたい【性的虐待】》
親または親に代わる保護者など周囲の大人による,児童に対する性交・性的暴行・性的行為の強要などの行為。
小学館「デジタル大辞泉」の解説では
性的暴力を含む虐待。力関係の上位にある者が、下位の者に暴力・脅迫を加えて性行為などをおこなうこと。特に、保護者となる大人が児童に対しておこなうものをいう。
とあります。
少なくとも俊太も晃司も18歳未満だったのでしょう。『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』では「児童」とは「18歳に満たない者」という規定がありますからね。
沙織さんは彼らと関係を持った年の4月にアルバイトとしてこの施設に採用されました。そして食事の用意や衣服の洗濯、居室の掃除など子供たちの世話係をしていました、とても熱心で、施設内の他の子供達にも慕われていたそうです。
俊太はかの9か月の間に沙織さんにたびたび自宅に誘われ、キスをされたり、胸や下半身を触られたりしていました(行政はこれを『わいせつ行為』としています)。
「キスされたり」とか「胸や下半身を触られたり」と表現されていますが、これは絶対受け身ではありませんね。俊太も始めは緊張していたかも知れませんが、回を重ねるに従って、次第に積極的に自分から沙織さんの唇を求めたり、その胸を揉んだりしていたはずです(断言)。だって彼は高校生の男子ですよ? しかも9か月の間、たびたび、ですよ? さらに現場は沙織さんの自宅です。
そもそも、沙織さんが2人きりになれる自宅の住所を俊太に教え、時間を打ち合わせて彼を呼び出していたわけで、いやだったらその約束を反故にして無視すればいいわけでしょ? 俊太も喜んで沙織さんを訪ねていたことは想像に難くありません。
何か問題でも?
ただ、晃司との場合はアウトです。深夜、他者の目を盗んで施設内でセックスをした、ということですから。これが沙織さんが解雇される1か月ほど前のこと。
俊太は自分と沙織さんとの関係を「施設の他の職員に相談」しました。そして府の俊太への聞き取りの中で沙織さんと晃司が施設内でエッチに及んだことが発覚したのです。
本当に「相談」だったのでしょうか?
「俺、沙織先生とエッチなことしてんだぜ~」
というノリだった可能性もあります。そしてこの問題が発覚しなければ、俊太も沙織さんと自宅で繋がるところまで深入りしていたかもしれません。
報道によると沙織さんは「申し訳ないことをした。やってはいけないことをやってしまった」と謝罪。府は一時、強制わいせつ罪などでの刑事告発も検討したましたが、生徒が2人とも「無理強いはなかった」と話しており、処罰感情も薄いことから見送ったそうです。
当たり前じゃん。自分も気持ちよくなってるんだから、沙織さんに対する処罰感情を持っているわけないでしょ。だいたい無理強いはなかった、と本人達が言っているところが、報道の厳しい論調と事実の間に相当な乖離があることを如実に物語っています。
報道の中には「性的虐待の被害者となった生徒2人は、女性との“情事”の内容を詳細かつ具体的に覚えており、府が施設の行政指導に際し、事実認定の根拠としたほどだった」とあります。
詳細かつ具体的に……。きっと俊太と晃司には、この出来事がそれほど良い意味で衝撃的だったのです。人に言いふらしたくなる程の素敵な時間だったのです。少なくとも彼らは自分と沙織さんとの行為を『性的虐待』だとは思っていなかったはずです。
結局、この出来事が『事件』として報道された根拠は、法律上禁じられている18歳未満の『児童』との性的関係が問題である、ということなのでしょう。
この事件の顛末にもやもやを覚えるのは、沙織さんが好意を寄せていた俊太と晃司は、オトコとしての欲求に任せて彼女の気持ちに応えたということなのに、彼らが彼女の勤める施設の『児童』だったということで厳しい処罰に繋がったということ。俊太も晃司も、沙織さんを憎からず思っていたはずで、きっと俊太は施設の職員に打ち明けたことを後悔しているのではないか、性的欲求を満足されてくれて気持ちよくしてもらった沙織さんが、解雇されて、実はとても申し訳なく思っているのではないか、と思わずにはいられません。
この事件に関してコメントしている芦屋大学の某准教授は、子供は教師に尊敬できる大人の理想を投影し、守り育ててくれる人には母親的な安心感を求めているとして、「親しみや信頼感がある人物から期待を裏切られると、子供の心身の発達を阻害する可能性がある」と指摘。さらに「行政は被害者や周りの子供たちの心のケアに気を配るべきだ」と話している。
指摘が完全に的を外れている。そんな机の上でしか物事を考えない「専門家」の杓子定規なコメントなんか彼らには何の役にも立ちません。二人の高校生が沙織さんのことを「尊敬できる大人の理想」とか「母親的な安心感を与えてくれる人」と思っていたと本気で考えているのでしょうか。そして彼らが沙織さんに「期待を裏切られた」と感じているとでも言いたいのでしょうか。
施設内の他の子供達がこの事実を知っているかどうかはわかりませんし、そこんとこのケアについては何とも言いようがないですが、もし当事者の俊太と晃司の心のケアをするのであれば、「ちゃんとした交際をしている女性と肉体関係を結ぶのが普通だよ」とか「女性から誘われても、軽々しく欲求に任せてヤっちゃだめだよ。お相手を妊娠させたり、あなた自身も性感染症をうつされる可能性もあるからね」とかいう類いの内容ではないでしょうか。傷ついた心のケアよりむしろ、いわゆる正しい性や大人の交際に関する知識を教え聞かせることこそ、この二人には必要だと思います。
龍「これって一歩間違ったら性的虐待だよ? 母さん」
ミカ「何言ってやがる。おまえすでに未成年じゃないだろ?」
龍「そういう問題じゃありません」
ミカ「いいじゃないか、お互い気持ちよくなる訳だし」
龍「そういう問題でもありません」
ミカ「せっかくだからやるか? ベッドで」
龍「いいかげんにしてください、母上。裸のままでのんびりコーヒーなんか飲んでないでさ、早く下着つけてくれないかな」
ミカ「ちっ、面白味のない息子だな……」
2016,1,18