Chocolate Time キャラクターと語る

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015.イラスト③ 影響

 ま、誠に申し訳ございません!

 ラムちゃんloveのファンの皆さまには、こんなお目汚しの画をご覧に入れたりして……。

 

 さて、今回の話では「Chocolate Time」のキャラクターは語りません。語りませんが、彼らの画の元になった高橋留美子先生の描くイラストについて、管理人Simpsonが代わりに熱く語ります。

 

 『元になった』と言うより『多大な影響を受けた』と言った方が的確です。このサイトに何度か足を運ばれた方の中には、うすうす感づいていた人もいらっしゃったのではないでしょうか。はい、僕の描く人物イラストは、高橋先生の影響を強く受けています。

 

 30~50代の男性諸氏にとって永遠のアイドルであるこのラムちゃんは、ご存じ『うる星やつら』に登場するほぼメインのキャラクターです(主人公は諸星あたるです)。彼女に限らず、出てくるキャラクターの中には、こんな風にセクシーな格好をした女のコがいっぱいいて、この漫画が連載されていた頃に青春時代を過ごした、特に男性にとっては、いろんな意味で役に立った、魅力的な漫画でありました。

 

 僕も御多分に漏れず愛読してました。今でもコミック全巻持ってます。そればかりか、高橋先生のコミックは『めぞん一刻』『らんま1/2』『1ポンドの福音』『犬夜叉』もそれぞれ全巻、現在も『境界のRINNE』を欠かさず買って読んでいます。

 

 すると、当然、自分でこういう画を描こうとすると、高橋先生の画に似てくるわけです。何より彼女の絵柄に強く惹かれてファンになったわけですから、もうこれらは僕の画の教科書とも言えるかも知れません。

 もちろん、全くの模倣ではないところが面白いところで、やっぱりどうしても自分のクセというか、嗜好というものは反映されていきます。それでも、改めて調べてみると、高橋先生の画の特徴というものは、随分自分自身の血になっているなあ、と感じざるを得ません。

 

 ★註:高橋留美子の描くオリジナルのラムちゃんは黒髪ではありません。

 現在連載中の『境界のRINNE』を始め、高橋作品の多くは少年サン○ーに掲載されています。そのせいかどうかはわかりませんが、作品中にはこういう少年キャラが非常に多く登場します。顎のラインが丸くて、瞳も大きく、鼻も上向き加減。髪の量も多くてなかなかかわいい男の子たちです。


 一方、女性キャラは、眉が細く、睫毛も描かれています。男性キャラに比べて目尻が垂れていることが多くて、優しい感じがします。

 この例は、上の男のコよりもやや年上で、お姉さん的ですね。これで顎の曲線がもっとふくよかだと、年齢は明らかに下がって見えます。この画は目の位置も少し上にあるので、子どもというより、ハイティーンから上の年代の女性を描いていると言っていいでしょう。


 これは女のコのつもり。でも10歳程度の男のコでも使えそうです。

 『境界のRINNE』では、善良な女のコキャラにはこんな風に瞳に上下二つのハイライトが入っています。

 高橋作品に登場する人物の瞳は実に多彩で、そのキャラクター(性格)に合わせて細かく設定されています。印象的なところでは、『うる星―』に登場する水乃小路家の兄妹は十字のハイライト、『境界の―』の黒猫族の瞳は縦長(猫ですからね)、同じ女性でも、鳳(あげは)という弾けた死神少女は、黒目の周りにもう一つの輪が描かれていて、青などの薄い色の虹彩であることを表現していると思われます。


 ヒーロー系の登場人物は、やはり眼力があり、眉も凜々しく描かれます。

 イラストの場合、瞳の上の線は、上睫毛の生えている部分を表すわけですが、ここを濃く描くことにより、眼に力や派手さが加わります。いわゆるアイライン効果ですね。そしてこの線から瞳を離して描くと、目を見開いたように、少し驚いたような表情になります。あまり離しすぎると見下ろす感じになって、別の表情になります。


 逆に、上睫毛に瞳を同化させ、瞳自体を小さめに、黒目も小さく描くと、悪巧み顔になります。

 高橋作品には、魅力的な悪役がたくさん登場しますが、彼らもそういう傾向が強いようです。


 顔に対して、極端に眼を小さく描けば、ずいぶんと年齢が上がります。さらに鼻筋を通して眼の位置も少し上に配置。髪も落ち着いた感じにすれば、すっかりシニカルな大人に。心の中に一物を抱くちょっとダークな人物にもなります。また、逆に、普段こんな顔をしているのに、ここぞという時にズッこけたりすると、そのギャップによって一気に愛されるキャラに変貌することもあります。


 というわけで、僕が高橋留美子先生から大いに影響を受けている、という事実を語ってきたわけですが、彼女の描く漫画にかなり頻繁に登場する右のハンドジェスチャー。でっかいハンマーで、不意に殴られた瞬間にやってるシーンが比較的多いようですが、これはアメリカではI Love you.を意味するとか。そういう意味合いで高橋先生がこの手の形を使われているのかどうかは謎ですけどね。

 

 ところで、冒頭の似てないラムちゃんのイラスト、少年漫画の世界では一二を争うセクシー・キャラですが、意外にバストは小さめ。まあ、デフォルメされて頭が大きく描かれるのでそう見えるのかも知れませんが、それに比べて太股の充実感は目を見張ります。世の男性たちもこのあたりに相当な魅力を感じていたはずですが、『犬夜叉』あたりから、若い女性の太股がかなりスリムになりました。今ドキの若い女性の多くは、自分の太股が充実していることを気に病む傾向があるらしく、それに倣ってそんな画に変化したのでしょうか……。僕らオトコから言わせれば、ラムちゃんのように腰から太股にかけてはふっくらとしていた方がずっと魅力的なんですけどね(笑)。

2014,5,4 Simpson